万引き客から代金を取り戻そうと暴行し現金140円を奪い死亡させたとして強盗致死罪に問われた無職、斉藤信義被告(23)に対し福岡地裁の陶山博生裁判長は3日、「焼酎1本の万引きで命を奪われた遺族の感情は察するに余りある」として懲役8年(求刑懲役10年)の判決を言い渡した。 |
判決によると、斉藤被告は昨年4月21日夜、福岡県夜須町のコンビニエンスストア前にいた際、知人の店員から男性(49)が焼酎1本(220円)を万引きしたのを聞いて追い掛けて追及。近くの公園で暴行を加え、代金の一部として140円を奪ったうえ、男性を放置し死亡させたもの。斉藤被告は暴行後、コンビニに戻り店員に140円を返した。 |
強盗目的ではなかったなどとする斉藤被告の主張について、陶山裁判長は「支払わせるために奪い取る一貫した意図があった」と強盗罪を認定した。「万引きを否定する被害者の言動がきっかけになった偶発的な面はあるが、安易に暴力で解決しようとした残忍な犯行」と述べた。 |
斉藤被告は判決直前に自らの希望で遺族と面会して謝罪。この日の公判で「会えてよかった。謝りたかった」と話した。 |