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目的に適っている防犯対策とは…

“防犯対策”とか“セキュリティ対策”などといいながら、一般的に行われている対策は、目的に適っているのだろうか。
防犯対策であれセキュリティ対策であれ言葉はどうでもよい、「予知→予防→発生したときの対応→発生した後の対応」を一つの流れとして行っているだろうか。このことが“基本中の基本”…だと思うが。
実際は、どうだろうか。
レベルは別にして“起こったとき”が対策の中心といってよいだろう。予知でも予防でもない。発生した後の対応でもない。強いて好意的にいえば“発生したときの対応のため”だろう。
一般的というか代表的といったらよいのか、多く行われている防犯対策は、監視カメラを設置することだろう。店舗では、それにプラスして万引き防止装置や防犯ミラーを設置することだろう。
これらの装置は、犯罪の「予知・予防・発生したときの対応・発生した後の対応」に役立っているのだろうか。
監視カメラや万引き防止装置が“威嚇”効果があり、それで防犯に役立っているという人もいるが、こういうことをいう人は心底そのように思っているのだろうか…。
犯罪を防ぐためには、犯罪を予知する-つまり、起こるものと思い、予知する工夫が必要である。これに最大の力を発揮するのは、人の感性だが、残念ながら日本人の犯罪予知能力-感性は、きわめて弱い。
むかし昔、お店には人の目利きにたけた店員さんがいた。そういう店員さんは、お客さんの洋服のサイズが一目でわかるだけでなく、身体の調子もわかり、買うためにきたのか様子見できたのかもわかり、万引きする人かどうかも見きわめていた。いまは、そういう人にお目にかからない。超の字がつく一流といわれるお店には今もいるかもしれないが、今は(私は)そういうお店に縁がなくなった。
不審者とはどういう人? 不審な行動とはどういうこと? 死角ってどこ?誰も知らないから無防備!無防備であることすら分かっていない!から始末が悪い。
不審者を、不審な行動を監視カメラや万引き防止装置、あるいは防犯ミラーが自動的に感じて、自動的に対処してくれると思っているかのようだ。それが証拠に、監視カメラはモニタリングしていない、万引き防止装置はアラームが鳴っても知らん顔、防犯ミラーに目をやるのは万引き犯だけといったのが現実ではないのか。
「予知」して十分に備える「予防」とは縁遠い。監視カメラや万引き防止装置、防犯ミラーは設置しただけでは予防-つまり「防犯」にはならない。いまだにこのことすら理解されていない。なんというお粗末さだろう。
予知がダメなら、予防がもっとダメ。
さらにダメなのが発生したときの対応であり、発生した後の対応である。
よく店舗で万引きを捕まえたくて保安員の派遣を依頼するが、「あの保安員は今日は何人捕まえた、幾ら回収した」「あの保安員は捕まえない」といって、捕まえたことがノルマを果たした、目的を果たしたことだという意味のことをいうが、これは間違いである。保安員にはもっと大事な仕事がある。それは、万引きされないための売場の改善策を提言することである。このことが忘れられている。あえていえば、何人捕まえた・幾ら取り戻したと自慢する保安員(保安警備会社)は信頼できない。
では、どうしたらよいのか。
平凡かもしれないが、犯罪・安全・安心についての知性を磨くしかない。教育しかない。しかし、このことを今、教えることができる人、会社、機関がいない。では、どうしたらよいのか。自分で「犯罪・安全・安心知性」を磨くしかない。あるいは、同じ思いの仲間を探して語り合えばよい。
防犯機器を買うとき、買い手に望みたいことはただ1点、「値引きの駆け引きをひかえよ」ということだけ。“交渉”ならまだいい、“駆け引き”は止めてもらいたい。売り手に望むこともただ1点、「値引きだけ要求する買い手の話に乗るな、け飛ばせ」ということだけ。
“万引き防止”に関心が高く、このため一層、監視カメラ、万引き防止装置を設置しようという買い手が増えている。買い手・売り手に「監視カメラで万引きが予知できますか・防げますか」と問いたい。万引き防止装置にしても、同じことを問いたい。
買い手は先ず、犯罪の予知・予防は「人」が中心であることを認識し、「従業員教員」に心血を注いで欲しい。「従業員の目配り」こそが犯罪を予知し予防する要である。監視カメラや万引き防止装置は、犯罪を防止するために行う諸々の対策をサポートする補助的装置にすぎない。
監視カメラや万引き防止装置が犯罪を「予知できる・防止できる」ということであれば、メーカー・販売業者はそのデータを示して欲しい。装置の品質は確かによい。しかし、それは当たり前のことである。重要視したいのはメーカー・販売業者が「提案するシステムの品質のはどうか」ということである。
犯罪と一口にいうが、犯罪は多種多様。防ぐ対策も多種多様になる。防ぐには装置そのものより、「システムの品質」である。システムの品質とは、「使用効果がある」ことである。買い手も売り手も
「使用効果」が頭にない。だから、目的に適った防犯対策が行えないでいる。それもこれも、「予知→予防→発生したときの対応→発生した後の対応」がなってないからである。
防災・防犯というが、防災には「防火管理六法」がある。代表が「消防法」である。防犯についても「防犯管理六法」が必要だと思う。「犯罪防止法」が必要であり、それに基づく防火管理責任者が必要だと思う。
そして、「犯罪防止法」に基づいた「防犯用設備などの自主点検ポイント」の普及を図るべきである。
このことを立法化するために、安全安心に志の高い国会議員を糾合した議員連盟設立の働きかけが必要…。
(by佐藤 伸)
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