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売り手の防犯機器業者が成長するのは買い手の店舗次第

売り手と買い手がある。お互いが駆け引きをし自己の利益を追及する。しかし、セキュリティ対策に関しては、自己の利益ばかりを追及していては、かえって自己の利益は得られない。しかし、このことを売り手も買い手も、ほとんど理解していないと思われる。
「店舗セキュリティ」で言えば、店舗に対する売り手は、監視カメラや万引き防止装置など防犯機器のメーカーであり、海外からそれらを輸入して販売している輸入商社であり、メーカーや輸入商社から商品を仕入れて販売している販売業者ということになる。このほかメーカーや輸入商社、販売業者から仕入れて店舗に販売している警備会社もある。
買い手の店舗には、じつに様々な業態があり、規模も立地条件も様々である。極端に言えば、店舗の従業員の質も違う。これらの環境によって発生する犯罪の罪種もかなり異なってくる。
店舗セキュリティと一口に言っても、その対策は、罪種の多さ・複雑さから一つに括(くく)れるものでない。万引きもあれば内引きもある。万引きには様々な手口があり、内引きもそうだ。さらに置引きもあれば、すりもある。恐喝もある。値札を取り替える詐欺的手法もある。これを外部からの人も従業員もやる。商品などを壊す犯罪もある。店舗に付設の駐車場での車上荒らし、自販機荒らし、自転車、オートバイ、自動車などを盗む乗り物盗もある。店舗荒らし、出店荒らしもある(万引き、内引き、店舗荒らし、出店荒らしの違いを、どれほどの人が理解しているだろうか…)。
店舗にかかわる犯罪について、どうも売り手と買い手の双方とも、よく認識していないようだ。売り手も買い手も口を開けば「万引き」というが、その万引きについても、あまり追及していない。だから、対策は中途半端、デタラメである。
売り手と買い手をみていて感じることは、極端に言えば、売り手は機器の表面的な機能だけ、買い手はいかに買い叩くかだけしか考えていないように思えてならない。なかには、真剣に防犯対策を売り手に相談する買い手があり、買い手に犯罪の実態を色々と聞いて真剣に対策を考えようとする売り手もいるが…。
これについて、売り手と買い手のどちらに「非」があるかといえば、買い手の方に非があると言えるのではないだろうか。売り手は売り込む側だから買い手の困っている問題(犯罪)を研究して提案すべきかもしれないが、買い手が問題(犯罪)をあからさまに全て言うとは限らない。買い手が全てを言わない場合、売り手側の提案は中途半端になってしまう。
買い手は、問題(犯罪)を確実に解決したいと思ったら、現状をあからさまに売り手側に「相談」すべきである。そうなってこそ、売り手は確実に問題点を把握し、最高の「対策」を提案することができる。
「店舗セキュリティ」を研究している身にとって、これまで売り手も買い手も利口でないと思っていたが、今後は、どちらが利口で、どちらがバカということでなく、買い手の店舗側が自分の問題(犯罪)を正直に話すことで売り手を大きく成長させるべきである。買い手の中には、たとえば万引き、内引きの数字をあからさまに言うと株主に責任を追及されると口を閉じる向きもあるが、このような買い手の店には将来性はない。心すべきである。
(by 佐藤 伸)
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