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夏休みに海外へ行かれる人たちに望むこと
   テロやイラク戦争、SARS(新型肺炎)問題などが少し落ち着いて、これから夏休みに海外に行く人も大勢いるにちがいない。海外旅行で楽しみの一つはショッピングだが、ショッピングするときに、海外の店が万引き防止対策をどのように行っているか、よく気をつけて見てきてもらいたいものである。早々と夏休みをとって海外に行った人は、ショッピングをしたときに、どうだったか思い出してもらいたいものである。
   海外旅行が初めての人は、2度や3度ぐらいは、店に入ったとたんに屈強な男に手に持ったバッグを取られ、番号札を渡されてビックリする経験をするはずである。入口に腰に拳銃をつけた超大柄なガードマンが無愛想に立っていて、その脇を恐る恐る通り抜けることもあるはずである。ワンウエイ形式で、入口と出口が異なっていて面食らうこともあるにちがいない。
   多くの人は天井などに監視カメラが沢山設置されていることには気がつかないかもしれない。気づくとすれば、出入口にあるEAS(電子式商品監視装置/万引き防止装置)のゲートかもしれない。ゲートが10本とかズラリと並んでいるスーパーがある。日本ではせいぜい1、2本である。
   店舗に勤めている人も監視カメラやEASのメーカーや販売会社に勤めている人も、話を聞いてみると、海外旅行に行ったときに、サイトシーイング(観光)三昧で、業務に役立ちそうな、例えば監視カメラがどうだった・EASがどうだったなどというのは視野に全く入っていない。少し非難めいたことを言えば、だいたい“自分のカネで行った”という言葉が返ってくる。その都度、悲しい気持になってしまう。“常時戦場”という気持などさらさらない。
   日本の店舗で、キチンと万引きや内引き、閉店後の侵入盗に備えている店舗がどれ程あるだろうか。140万店舗のうち、ほんの一握りではないだろうか。監視カメラを設置している店舗は、確かにある。EASのゲートも置いている店舗はある。しかしながら、設置も運用も“仕方・やり方”がなってない。監視カメラもEASも置いてあるだけ、というのが多すぎる。
   万引きや内引き、閉店後の侵入盗にあらかじめ備えた防止策にもならず、起きた後の検証にも役に立たない。防犯に対して本当のアクションもなければ、リアクションもない。その原因は、安全ボケしたまま受動型人間になってしまったからだと思う。言われたらやる・言われなければやらない、というわけである。防犯対策については、上が安全ボケしているままだから(お客をドロボー扱いするような防犯対策は反対だと言うような)、指示も出来ない。悲しいことに店舗だけでなく、セキュリティ業界に携わる全体がそうなってしまっている。
   少しでも意識を変えてもらうために(筆者自身の身の安全を守るためにも)、夏休みに海外に行かれる方は、彼の地の店舗がどのような防犯対策を行っているか、見てきてもらいたいものである。同時に、留守中にドロボーに入られないように気をつけてもらいたい。長いこと新聞受けに新聞が入っていたら、郵便物が溜まっていたらなどなど、ドロボーがチェックすることを自分でチェックして安全を確認してから出かけていってもらいたい。(佐藤 伸)


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