東京海上日動火災保険のグループ会社である東京海上日動リスクコンサルティング株式会社(以下TRC)では29日、業界初のカメラ付ドライブレコーダによる自動車事故削減コンサルティングサービスを開始すると発表した。本サービスは、車両前方のビデオ映像を含む多様な運行データに基づき、安全運転や省エネ運転などの総合診断を行うもの。実際に記録された事故につながる危険運転データなどを独自ノウハウで解析し、企業内での安全運転指導・教育に活用できるビデオ映像付のレポートや分かりやすく視覚化した全社的な安全運転対策ツールなどとして提供する。 |
TRCでは、99年からドライブレコーダによる自動車事故削減コンサルティングサービスを数多くの企業に対して実施してきているが、今回、新たにカメラ付ドライブレコーダを使い、実際に運行する車両の危険運転データに加え前方の交通環境をビデオ映像で把握することで、より詳細な運行データに基づいたコンサルティングサービスを提供する。 |
最近、事故前後のビデオ映像を記録するドライブレコーダをタクシー事業者が導入し、危険運転の防止や事故の抑制効果を目指す取り組みがマスコミなどに取り上げられ、また04年10月から国土交通省が映像記録型ドライブレコーダの搭載効果に関する調査を開始するなどビデオ映像を記録するドライブレコーダに対する関心が高まってきているが、そのような動きに合わせTRCは企業の自動車事故削減に役立つ新たなコンサルティングメニューとして、カメラ付ドライブレコーダを活用したサービスを開発したもの。 |
コンサルティングの概要は次のとおり。 |
高機能のカメラ付ドライブレコーダを実際の車両に一定期間取り付け、様々な運行データを取得し、独自ノウハウによる以下の分析を行う。 |
(1)運転の危険度(安全度) |
各運転者の運転の危険度(安全度)を評価する。 |
(2)省エネ運転の状況 |
運転の省エネ度(無駄燃費度)を評価する。 |
(3)車の運行状況 |
走行経路、一定以上の停車場所や走行時間・距離、速度などを把握する。 |
(4)危険な運転の状況 |
ヒヤリハットの発生時刻・場所やその時の車の動きをビデオ映像とデータで把握する。 |
ビデオ映像から、ヒヤリハット前後の車両前方の交通環境が一目瞭然になり、自車の挙動と合わせて分析することで、管理者・運転者の双方に対して視覚化されたわかりやすく納得感のある運転指導を行うことができる。 |
TRCでは考えられる導入効果として次の点をあげている。 |
(1)安全と環境経営品質の向上 |
実際の運転環境のビデオ映像と運行データの解析結果を経営品質向上への取り組みとして全社的に共有することで経営者及び管理者・運転者が一体感を持つ組織マネジメント環境を創出 |
(2)運転者の時系列評価や運転者間比較による安全運転、省エネ運転の徹底 |
従来は難しかった運転者個人の技術評価を客観的にレポートできるため、運転者に納得感のある的確な運転指導を実現することで事故削減及びエコドライブを個人レベルと全社的レベルで推進 |
(3)安全運転管理業務の効率化 |
業務中の自社運行データを解析し現場に即した安全運転教育の実践を支援することでヒヤリハットなどの視覚体験を全社的に共有化し、新入社員やベテラン社員など階層別に効率的な安全運転教育の実践と各社特有の事故パターンに即した実効性のある安全運転対策の企画 |
コンサルティング費用は次のとおり(モデル概算)。 |
▽カメラ付ドライブレコーダの貸出10台(対象運転者10名)、報告レポートの作成及びフィードバックカウンセリング実施(1回)のセット=30万円以上 |