沖電気工業は23日、金融機関向け新型ATM(現金自動預払機)「ATM-BankIT(エーティエム・バンキット)」を開発したと発表した。「ATM-BankIT」は、セキュリティ機能を強化し、信頼性と操作性を高めるとともに運用コストの低減が図られている。また、携帯電話や非接触ICカードなど多様化する新サービスをより迅速に提供できる機能にも対応し、戦略的なセールス拠点としてのATM活用を支援する。販売価格はープン制で、販売目標は今後3年間で20,000台。販売は05年7月から。 |
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ATMをとりまく環境の変化にともない、金融機関や利用客にセキュリティに対する関心が高まり、安心感や信頼性が強く求められるようになった。また、ATMの24時間運用や設置場所の多様化など、無人運用を確実に低コストで実現することも重要となっている。さらに、高齢者や障害のある人を含む様々な人々が使いやすい操作性や、利用客の利便性の向上、新しい金融商品やサービスへの拡張性も兼ね備える必要がある。 |
「ATM-BankIT」は、ICカードや指静脈、手のひら静脈、アイリス(虹彩)など複数の各種生体認証に対応し、金融機関のニーズに合わせた個人認証方式を採用することができる。また、遮光フィルターの標準搭載などによる暗証番号のぞき見防止対策の実施などセキュリティ機能を特に強化している。紙幣容量については業界最大の14,500枚に増量し、長期での無人運用も可能である。さらに、ユニバーサルデザインを採用し、すべての利用客にとっての使いやすさを実現するとともに、携帯電話や非接触ICカードを利用したサービスや、CRMサーバなどと連携した利用客のニーズに応じた商品セールスを展開できる。 |
沖電気は、ATMシェア40%のNo.1ベンダとして業界をリードしてきているが、今後は「ATM-BankIT」を主力商品として、さらにシェアの拡大を図っていくことにしている。また、ATM単体の販売だけでなく、保守や運用受託サービスなどATMに関連する総合的なサービスも提供していく。さらには、沖電気が提唱するリテール金融システム向けアーキテクチャ『TxFlow』に基づいて、CRMサーバや営業店システムなどと連携した金融ソリューションとして積極的に展開していく。 |