神奈川県警の内部調査で5日、茅ヶ崎署の警察官らが、被害届を受けた軽微な少年事件など約200件について、適正な処理をしないまま放置していたことが明らかになった。県警は今日にも県公安委員会に報告し、担当者や上司ら数人の処分を発表する。放置されていたのは、いずれも3年ほど前に被害届を受けた事件で、少年の万引きや自転車盗などだった。署員ら4人程度が関与していたとみられ、一部は、少年が成人したため家庭裁判所で審理できなくなったり、時効を迎えたりしているという。 |
県警では、少年事件について被害額が5000円未満の窃盗事件や1000円未満の恐喝事件、けがの程度が10日以内の傷害事件などを「軽微な事件」と規定し、通常の送検とは異なり、厳密な証拠調べをしなくても送致できることになっている。今回問題が発覚した事件の大部分は、この手続きを踏んでいなかったという。 |
少年事件の放置では、今年6月、埼玉県警の4署が、容疑者がほぼ特定されていた約70件について必要な捜査を行っていなかったことが発覚。当時の担当者5人が訓戒や注意の内部処分を受けている。神奈川県警でも昨年1月、旭署の巡査長が10年間にわたって窃盗事件などの被害届67件を放置していたとして懲戒処分を受けているが、今回のように大量の未処理事件が発覚したのは例がないという。 |