※政府答弁書別表につきましては、会員用ページに記載させていただきます。 |
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警察署別の犯罪検挙率ベスト10とワースト10などが明らかになった。民主党の長妻 昭衆院議員が政府に提出していた質問主意書に、政府がこのほど答えた答弁書で明らかになったもの。現在、犯罪検挙率の低下は目を覆うばかりである。今後、防犯や検挙率向上のためにも警察署ごとの「通信簿」の定期的公表が求められる。 |
長妻 昭衆院議員に対する政府の答弁書によると、検挙率のベスト10、ワースト10、検挙率が大幅に低下した警察署10の警察署、犯罪別認知件数が最多の警察署、犯罪別増加率が最多の警察署は次のとおりである。 |
◆検挙率ベスト10の警察署=①徳島県鷲敷警察署、②石川県金沢東警察署、③警視庁三宅島警察署、④福井県今立警察署、⑤愛知県名古屋水上警察署、⑥山口県阿東警察署、⑦大阪府大阪水上警察署、⑧石川県穴水警察署、⑨山形県温海警察署、⑩福岡県北九州水上警察署 |
◆検挙率ワースト10の警察署=①警視庁小笠原警察署、②広島県加計警察署、③北海道旭川方面沼田警察署、④兵庫県芦屋警察署、⑤大阪府堺東警察署、⑥岐阜県八幡警察署、⑦奈良県十津川警察署、⑧大阪府八尾警察署、⑨北海道札幌方面北警察署、⑩埼玉県深谷警察署 |
◆検挙率が大幅に低下した警察署10(挙率の減少幅が、前年に比べ大きい順)=①山口県下関水上警察署、②静岡県水窪警察署、③徳島県石井警察署、④青森県蟹田警察署、⑤徳島県池田警察署、⑥高知県窪川警察署、⑦京都府京北警察署、⑧岡山県新見警察署、⑨栃木県馬頭警察署、⑩徳島県徳島北警察署 |
◆犯罪別認知件数が最多の警察署(犯罪多発警察署、平成14年) ・空き巣狙い=埼玉県浦和警察署1,029件 ・ひったくり=埼玉県越谷警察署658件 ・強盗=千葉県松戸警察署70件 ・殺人=大阪府西成警察署25件 ・傷害=福岡県小倉北警察署348件 ・粗暴犯=福岡県小倉北警察署725件 ・窃盗犯=福岡県西警察署14,089件 ・刑法犯=福岡県西警察署15,609件 |
◆犯罪別増加率が最多の警察署(犯罪の増加が最も著しい警察署、平成14年を平成13年と比較) ・空き巣狙い=大分県津久見警察署(平成13年0件→平成14年6件) ・ひったくり=福岡県武正警察署(0→14件) ・強盗=新潟県十日町警察署(0→6件) ・殺人=千葉県船橋警察署(0→6件) ・傷害=佐賀県有田警察署(0→7件) ・粗暴犯=青森県浪岡警察署(0→7件)、 ・窃盗犯=山口県下関水上警察署(0→4件) ・刑法犯=山口県下関水上警察署(1→4件) |
長妻昭衆院議員は今年4月18日に政府に対し「全国警察署の犯罪発生件数及び検挙率に関する質問主意書」を提出、それに対し政府は5月30日付で答弁書を交付した。内容は次のとおり。 |
「全国警察署の犯罪発生件数及び検挙率に関する質問主意書」の内容は次のとおり。 日本全国に1200余ある警察署、それぞれの管内における犯罪の発生状況及び検挙率(直近1年間)に関してお尋ねする。 1)空き巣、ひったくり、強盗、殺人、傷害、粗暴犯、窃盗犯、刑法犯、それぞれ8つの分類において、その発生件数の多い順に、それぞれ十警察署名(所在地と管轄の主な市区町村名)をお示し頂き、それぞれ警察署ごとに発生件数と対策をお教え願いたい。 2)空き巣、ひったくり、強盗、殺人、傷害、粗暴犯、窃盗犯、刑法犯、それぞれ8つの分類において、その発生件数の増加率が前年に比べて高い順に、それぞれ10警察署名(所在地と管轄の主な市区町村名)をお示し頂き、それぞれ警察署ごとに発生件数の推移と対策をお教え願いたい。 3)検挙率の高い順に10警察署名(所在地と管轄の主な市区町村名)をお示し頂き、その警察署ごとに検挙率と検挙率が高い理由をお教え願いたい。 4)検挙率の低い順に10警察署名(所在地と管轄の主な市区町村名)をお示し頂き、その警察署ごとに検挙率、検挙率が低い理由、対策をお教え願いたい。 5)検挙率の低下(率)が前年に比べ著しい順に10警察署名(所在地と管轄の主な市区町村名)をお示し頂き、警察署ごとに検挙率の推移をお示し願いたい。また、その10警察署それぞれの検挙率を上げる対策を、お示し願いたい。 |
これに対する政府の答弁書の内容は次のとおりである。 1)について お尋ねの8つの分類(ただし、刑法犯については、道路上の交通事故に係る業務上過失致死傷及び重過失致死傷並びに危険運転致死傷を除く。以下同じ。)において、平成14年中の認知件数が多い10の警察署について、その名称、所在地、管轄する主な市区町村及び認知件数は、警察庁の統計によると、別表第1のとおりである。(※政府答弁書別表を参照)いずれの警察署においても、隣接警察署や警察本部との連携を密にして、検挙活動の実施、被疑者の早期検挙に向けた初動捜査体制の確立、職務質問の徹底、警ら活動の強化等を図るとともに、地域住民、民間防犯組織、地方公共団体等との連携による防犯活動を推進するなど、厳しさを増す犯罪情勢に対して諸対策を講じているものと承知している。 |
2)について お尋ねの8つの分類において、平成14年中の認知件数を平成13年中の認知件数と比較した際の増加率が高い10の警察署について、その名称、所在地、管轄する主な市区町村、平成14年中の認知件数、平成13年中の認知件数及び増加率は、警察庁の統計によると、別表第2のとおりである。(※政府答弁書別表を参照)認知件数が少ない警察署では認知件数のわずかな増加によってその増加率が著しく高くなるため、認知件数の増加率が高いことのみをもって当該警察署管内の治安状況や当該警察署の犯罪対策を評価することは適当ではないが、1)についてで述べたとおり、いずれの警察署においても、警察活動の強化を図るとともに、地域住民等と連携した防犯活動を推進するなどの諸対策を講じているものと承知している。 |
3)について 平成14年の刑法犯(道路上の交通事故に係る業務上過失致死傷及び重過失致死傷並びに危険運転致死傷を除く。以下同じ。)の検挙率が高い10の警察署について、その名称、所在地、管轄する主な市区町村、認知件数、検挙件数及び検挙率は、警察庁の統計によると、別表第3のとおりである。(※政府答弁書別表を参照)これらの警察署において検挙率が高くなっている理由は、検挙した被疑者が多くの余罪を有していたこと等によるものと考えられる。 |
4)について 平成14年の刑法犯の検挙率が低い10の警察署について、その名称、所在地、管轄する主な市区町村、認知件数、検挙件数及び検挙率は、警察庁の統計によると、別表第4のとおりである。(※政府答弁書別表を参照) |
これらの警察署において検挙率が低くなっているのは、それぞれの地域における犯罪情勢等によるものであると考えられるが、いずれの警察署においても、警察活動の強化を図るとともに、地域住民等と連携した防犯活動を推進するなどの諸対策を講じているものと承知している。 |
5)について 平成14年の刑法犯の検挙率と平成13年の刑法犯の検挙率とを比較した際の減少幅が大きい10の警察署について、その名称、所在地、管轄する主な市区町村、平成14年の検挙率、平成13年の検挙率及び減少幅は、警察庁の統計によると、別表第5のとおりである。(※政府答弁書別表を参照)認知件数が少ない警察署では、余罪を多く有する被疑者を検挙した場合には、検挙率が著しく高くなることから、検挙率が低下したことのみをもって当該警察署の犯罪対策を評価することは適当ではないが、いずれの警察署においても、警察活動の強化を図るとともに、地域住民等と連携した防犯活動を推進するなどの諸対策を講じているものと承知している。 |
なお、長沼衆院議員は、政府の答弁書を受けて6月13日に政府に対し、「全国警察署の検挙率格差に関する質問主意書」を提出している。現在、答弁は8月4日まで延期されている。 |
1)先の答弁書(内閣衆質156第60号=※前段参照)でお示し頂いた平成14年の警察署ごと刑法犯の検挙率において認知件数2000件以上をみるとベスト1は、石川県金沢東警察署(認知件数2587件、検挙件数3964件、検挙率153.2%)、ワースト1は兵庫県芦屋警察署(認知件数2851件、検挙件数204件、検挙率7.2%)である。両署の検挙率にこれほどの差があるのは、なぜか。犯罪の種類、犯罪者の特性、検挙の難易度等、丁寧に説明頂きたい。 |
2)同じ日本でありながら地域によってこれほど検挙率に差が出ることは、問題があると認識されているか否か。 |
3)1)の検挙率格差について解決方法をどのように考えるか。 |
4)全国1200余ある警察署における直近1年間の管内における刑法犯についてお尋ねする。検挙率の高い順に①警察署名②管轄する主な市区町村③検挙率④認知件数⑤検挙者数⑥検挙件数をお示し願いたい。 |
5)過去10年間で検挙率アップを狙い不正な数字操作をした警察署等があるとすればその警察署名、発生年月、不正の手口の詳細、法令違反の有無、処分内容をお示し願いたい。 |
6)検挙率という指標に問題点があるとすればお示し願いたい。 |
※政府答弁書別表につきましては、会員用ページに記載させていただきます。 |