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最高裁が「おとり捜査」に3条件示す

大麻取引をめぐって「おとり捜査」の適法性が争われた刑事裁判で、最高裁第一小法廷(泉徳治裁判長)は14日までに「犯罪を行う意思があると疑われる者が対象の場合など一定の条件の下では刑事訴訟法197条に基づく任意捜査として許容される」として初めておとり捜査が認められる3条件を示した。
そのうえで、00年3月2日に大阪市内のホテルで大麻樹脂を所持したとして大麻取締法違反の罪に問われたイラン人被告(36)の上告を棄却する決定をした。懲役6年、罰金100万円が確定する。決定は12日付。
1953年の最高裁決定がおとり捜査を適法とし捜査実務もこの判断に基づいて行われているが、犯意を誘発するやり方は違法とする学説があることなどから、最高裁が明確な見解を示したものとみられる。
泉裁判長は決定理由でおとり捜査について、「捜査機関やその依頼を受けた捜査協力者が、身分や意図を秘密にして犯罪を実行するように働き掛け、犯罪を実行したところで摘発する手法」と定義した。
許される条件として、(1)直接の被害者がいない薬物犯罪などの捜査、(2)通常の捜査方法だけでは犯罪の摘発が困難、(3)機会があれば犯罪を行う意思があると疑われる者が対象という3項目を挙げた。
この事件では、捜査協力者の紹介で麻薬取締官が大麻の買い手となった。泉裁判長は、捜査協力者の情報でも被告の住所や大麻の隠し場所などを特定できず、ほかの捜査手法では証拠収集や摘発が困難だった。被告は(おとり捜査の時点で)すでに大麻密売を企図して買い手を求めていたとし、適法なおとり捜査と判断した。


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