航空機や空港へのテロ防止のため国土交通省は21日までに、航空会社が空港で実施する保安検査の基準を再編・強化し、現行の最高レベル「フェーズE」を基礎レベルとしてさらに厳しいレベルを設ける新基準の本格的な検討を始めた。 |
レベルの変更も現在は全国の空港一斉に行っているが、新基準ではテロの危険性が特に高い航空機や空港、地域に限ってレベルを引き上げるなど個別的な対応を可能にする方向である。国交省は、警察庁など関係機関と新基準の内容を調整し04年度中の具体化を目指す。 |
現行の基準は、平時の「フェーズ1」、緊迫時の「フェーズ2」、非常事態の「フェーズE」の3段階。段階が上がると、手荷物検査や金属探知機による搭乗者チェックのほか不審者の身元確認などが厳しくなる。01年の米中枢同時テロ以降は「E」が続いている。 |
新基準では「1」と「2」を廃止。「E」を基本レベルとして、さらに厳しい2段階程度のフェーズを追加する。テロ情報の内容によっては、機内持ち込み荷物を開けて中身を確かめる検査を拡大するなどの対応を航空会社に求めるとみられる。 |
国際民間航空機関(ICAO)は米中枢同時テロ後に保安基準を改訂し、昨年、国際民間航空条約の締結国に対する安全監査を開始しており、これに対応した措置である。 |
※フェーズE:国土交通省が1992年に定めた空港での航空保安基準3段階のうちの最高レベル。航空局長の通達によりフェーズEに指定されると、航空会社は国際線の全旅客についてパスポートの名前や顔写真と所持者本人を照合したり、通過旅客も全員、航空機からいったん降ろし、再搭乗の際にあらためて保安検査を行うなどの対策を実施する。 |