厚生労働省は5日、新型コロナウイルスワクチンを接種した30代の女性が、全身のかゆみなどアナフィラキシーを起こしたと発表した。コロナワクチンでは初めての報告となる。投薬後、症状は改善したという。
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※アナフィラキシーとは=アレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)が体内に侵入することによって複数の臓器にアレルギー症状が起こり、生命に危機を与える過敏反応を指す。アレルゲンは一般的に卵や小麦、ソバなどの食物、昆虫の毒、薬剤などが知られているが、ワクチンの場合は主成分のほかに、製造過程での残留成分や安定化剤、ワクチンの効果を増強させるための成分もアレルゲンになる可能性があるという。
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アナフィラキシーの特徴は▽全身にじんましんなどが出る▽唇や舌などが腫れる▽呼吸困難や低酸素症になる▽強い腹痛や嘔吐(おうと)―がある。さらに血圧低下や意識障害を伴うと、より重篤な「アナフィラキシーショック」になる。
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ワクチン接種後に急速に症状が出るのは15分以内が多く、「すぐにアドレナリン注射や酸素投与など、救急対応できる適切な態勢が整っていれば回復できる」とする一方で、「万一に備え、接種後15分~30分程度は会場に待機し、安静にするべき」とされている。
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