WHO=世界保健機関や各国の対応を検証している独立委員会は、先に公表した中間報告で感染拡大の初期段階で中国の対応に遅れがあったと指摘したうえで、WHOが「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を去年の1月30日まで出さなかったことを疑問視し、ほとんどの国が宣言の出された後も必要な措置をとらなかったと指摘した。委員会の共同議長を務めるニュージーランドのクラーク元首相らは19日、WHOの執行理事会で「報告書は新型コロナウイルスへの対応で国際社会や各国が初期の段階で犯したいくつもの重大な失敗を特定している」と述べ、名指しはしなかったものの中国をはじめ各国とWHOの対応に問題があったと強調した。
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また、同じく共同議長を務めるリベリアのサーリーフ前大統領は「加盟国は、WHOに指導力を期待しているがWHOが仕事をするのに必要な権限や資源を与えていない」と述べ、パンデミックへの対応を強化するためには資金不足の解消などWHOの改革が欠かせないという認識を示した。
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独立委員会は、各国の指摘なども踏まえて今年5月のWHO総会に最終報告を提出する予定。
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※WHO独立委員会とは=独立委員会は、新型コロナウイルスへのWHOや各国の対応を検証し、今後の感染症対策への教訓を得るため設置された。共同議長は、UNDP=国連開発計画の総裁を務めたニュージーランドのクラーク元首相と、ノーベル平和賞を受賞したリベリアのサーリーフ前大統領が務めているほか、感染症や保健衛生などの専門家合わせて13人から構成され昨年9月から活動している。
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