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三菱電機が人物検索技術を開発、監視映像の中から行動パターンを指定して人物を効率よく検索

三菱電機は、このほどビルや駐車場などで記録した監視映像の中から、指定した行動パターンに合致する人物を検索する技術を開発した。監視映像を解析して映っている人物の特徴を抽出し、これをもとに人物の移動経路や速度など、様々に条件を替えて検索することが可能となる。
この技術を使うと、監視記録映像の中で特定の行動をとった人物の候補を高速に検索することができ、長時間の監視記録映像の調査が短時間で行える。これによって、近年急速に普及しているセキュリティ用監視カメラや映像レコーダーによる記録映像の分析が容易になる。
同社が本技術を開発したのは、近年、監視カメラや映像レコーダーといったセキュリティ用映像装置の需要が高まり、急速に普及してきたが、しかし多数の監視カメラの長時間記録から目的の人物が映っている場面を探し出すには、人手によって早送り再生をするなどして見る必要があり、非常に時間がかかる作業である上に見逃しという問題もかかえているため。また近年映像レコーダーの記憶容量が増大するにつれて長時間作業を必要とする傾向がさらに強まってきている。
そこで同社は今回、映像の中から特定の行動を行った人物のみを検索する技術を開発したもの。これにより、監視映像記録から目的の人物を効率よく探し出すことができる。
主な特長は次のとおり。
a.. 人物の行動パターンをキーにした映像検索技術
映像を解析し、人物領域を検出して追跡を行い、時刻、移動経路、速度などの特徴量を抽出する。この特徴量データから、指定した方向への移動や特定領域への侵入、徘徊といった行動パターンによる人物の検索が高速にできる。
例えば1,000人が映っている1日分の映像(毎秒30フレーム)の特徴量データから、指定方向に移動する人物を1秒以内で検索できる。
b.. 高精度な人物抽出・追跡技術
1枚の背景画像と現在の画像フレームとの違いを分析することによって人物の抽出を行うが、その際、画素毎に過去一定時間における輝度値の平均と分散を計算し、輝度値の細かな変化が多すぎる場合は、抽出の感度を落とすという調整を常に行う。その結果、屋外のような木の葉の揺れや日照変動が起こるなど背景変動の多い環境でも、誤報を増やすことなく検出率97%以上の精度で人物領域の抽出ができる。
また、抽出した人物領域について、面積および重心位置の次の値を予測しながら追跡を行うことにより、複数フレームにわたる人物の対応付けを強固に行う。この結果、同時に複数の人物がいて画面上で一時的に重なりが生じるような環境でも正確な追跡ができる。
同社では今後、映像監視システムなどへの展開を図る予定である。


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