中国の武漢市の対策本部は17日、情報の正確性を確保するため市内の医療機関や住民組織、それに火葬施設などの記録を調べ直した結果、新型コロナウイルスに感染して死亡した人の数は、これまで発表していた2,579人から1,290人増えて3,869人だったと大幅に訂正した。また、感染者の数もこれまでの5万8人から325人増えて5万333人に訂正するとした。
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これに続いて、中国の保健当局も、全土の感染者は8万2,692人、死亡した人は4,632人と訂正した。
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武漢市当局は訂正の理由について、感染拡大の初期に患者が急増して医療施設が不足し、病院で治療を受けられずに自宅で死亡した人がいたことや、病院の担当者が多忙だったことから統計に漏れがあったためなどとしている。
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ただ医療崩壊が起きた武漢では、感染が確認されないまま亡くなった人もいたとみられ、こうした死者の数は今回の訂正にも含まれていない可能性がある。
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中国で感染拡大が最も深刻だった武漢では今月3日以降、新たな感染者が確認されず、8日には1月から行われていた都市の封鎖を2ヶ月半ぶりに解除したが、実際の感染者や死者の数は、発表より多いのではないかという指摘が出ていた。
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湖北省武漢市の当局が、新型コロナウイルスに感染して死亡した人の数を大幅に訂正したことについて、中国外務省の趙立堅報道官は、17日の記者会見で「武漢市がデータを公表したことは情報公開が透明であり、われわれが真実を追い求め、歴史や死者に対して責任を負っていることを体現している。医療従事者が患者への治療で忙しく、報告の漏れや誤りがあったが隠蔽はなく、隠蔽することも許されていない」と強調した。
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中国としては、情報公開が不十分だとするアメリカなどからの批判をかわす狙いがあるとみられる。
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