政府は31日、中国湖北省武漢市を中心に感染が拡大している新型肺炎について感染症法上の「指定感染症」とする政令を2月2日から1日に前倒しして施行することを持ち回り閣議で決定した。世界保健機関(WHO)が「国際的な公衆衛生上の緊急事態」を宣言したことを受けて判断した。
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検疫法上の「検疫感染症」とする政令も同様に前倒しする。両政令は罰則を伴うため、慣例で公布から施行まで10日間空けることになっていた。WHOのテドロス事務局長が1月30日夜(日本時間1月31日未明)に緊急事態宣言を出す前から、国内でも人から人への感染とみられる事例が確認され、政府は早急に感染拡大の防止策を強化する必要性に迫られていた。
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施行により、1日から出入国管理・難民認定法に基づいて外国人患者の入国を拒否できるようになる。検疫法に基づいて入国時に感染が疑われる人に対し、検査や診察を指示することができ、指示に従わない場合は罰則の対象となる。また、感染症法に基づいて患者を強制的に入院させたり、就業を制限したりすることも可能である。
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また安倍首相は31日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、日本に入国する直前の2週間以内に湖北省に滞在歴のある外国人の入国を拒否することを表明した。武漢に滞在した邦人に無症状での感染者がいたため入国管理を強化した。2月1日から適用する。
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滞在歴にかかわらず、湖北省が発行した中国旅券を所持する外国人の入国も拒否する。入管法で、日本の利益を害する恐れがある人の入国を拒否できる規定を活用する。
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