弘前市や八戸市などの病院を狙った中国人と日本人のグループによる連続金庫破り事件で窃盗や建造物侵入などの罪に問われ青森地裁から12日、懲役3年、執行猶予4年の有罪判決を受けた中国人の男(20)=青森家裁から逆送致=について青森地検は13日、量刑不当を理由に仙台高裁に控訴した。男は在留期限が切れており、地検側は国外退去処分となれば審理に支障が出る可能性があるとして、控訴手続きと同時に青森地裁に拘置を求めた。 |
青森地裁での審理で、検察側は「徒党を組んだ上での悪質な犯行で、中心人物であることは明白」とし、懲役5年の実刑を求めていた。これに対し地裁は、12日の判決公判で「犯行当時の被告は未成年で主導的役割を果たしていない。200万円の被害弁償も行った」などと酌量し、執行猶予判決を言い渡した。 |
男は判決を受けた後、仙台入国管理局の施設に収容された。行政手続きが整えば、国外退去を命じられることになる。こうした事情から地検は判決翌日の13日、異例ともいえる早急な控訴手続きを取る一方、青森地裁に職権発動による拘置を求めた。 |
青森地検の戸谷博子次席検事は控訴理由について、「(一審判決は)量刑は不当。犯行は組織的で悪質。7件の犯行が起訴された実刑事案であり、他の被告はすでに実刑判決を受けている。執行猶予は是認できない」としている。 |