福島第1原発の事故をめぐり強制的に起訴された東京電力の旧経営陣3人に無罪を言い渡した判決を不服として検察官役の指定弁護士が30日、控訴した。東京電力の当時の経営トップらの刑事責任を問う裁判は今後、2審の東京高等裁判所で改めて審理されることになる。
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東京電力の勝俣恒久元会長(79)、武黒一郎元副社長(73)、武藤栄元副社長(69)の3人は、福島第1原発の事故をめぐって検察審査会の議決により強制的に起訴された。
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1審の東京地方裁判所は今月19日の判決で「巨大な津波の発生を予測できる可能性があったとは認められない。当時の法令上の規制や国の審査は、絶対的な安全性の確保までを求めていなかった」などとして3人全員に無罪を言い渡した。
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この判決を不服として検察官役の指定弁護士は30日、東京高等裁判所に控訴した。
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指定弁護士は控訴について「1審の判決は到底納得できず、判決をこのまま確定させることは著しく正義に反する。旧経営陣3人の負担を考慮してもなお、上級審で改めて判断を求めるべきとの結論に至った」というコメントを発表した。
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東京電力の当時の経営トップらの刑事責任を問う裁判は今後、2審の東京高等裁判所で改めて審理されることになる。
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