台風15号による大災害で首相や千葉県知事らの対応に非難が集まった。千葉県 内の大規模広域停電は、台風そのものと同時に、千葉県特産の「山武杉」に長年、 「非赤枯性溝腐病」という病気がまん延し、それを放置していたのが原因らしい。
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「チャアナタケモドキ菌」が原因で幹が腐って空洞化し倒れやすくなるという。千葉 県の2017年度調査では、山武杉の林の8割まで被害が及んでいたという。県は以 前から病気による倒木の危険性を把握していたが、伐採などの対策は十分でな かったという。
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林業の衰退で所有者による間伐などの管理が行き届かなくなり、1990年代から 被害が表面化してきたという。台風15号では、県内全域で発生した倒木のため 電線や電柱が損傷したほか、道路がふさがれて現場に近づけず、停電の復旧 を妨げていた。
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県は山林所有者に補助金を出して伐採・搬出を促しているが、罹患した木は商 品価値が下がるため、ほとんど手つかずのまま。県の担当者は「近年の伐採面 積は、年間十数ヘクタールほどにとどまっている」としている。
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また、県も東京電力も、今回の台風による倒木の規模や実態は「把握できてい ない」としている。昨年5月25日、新たな法律「森林経営管理法」が可決、成立し た。同法では、首長が土地所有者に災害防止のための伐採を命じることがで きるようになった。
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首長とは、一般には、都道府県の知事や市町村・特別区の長を指すが、上に立 って組織や集団を統率する長のことでもある。千葉県内で見ても首長と呼ぶべ き役柄の人は多い。だが、リーダーシップを備えた首長がいるだろうか。
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地球温暖化の影響を長期的に受ける「若者気候サミット」が21日にニューヨーク の国連本部で初めて開かれ、世界的抗議運動の中心となっているスウェーデン の16歳のグレタ・トゥンベリさんが温暖化対策の強化を訴えた。
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23日にもニューヨークで開幕した国連(UN)気候行動サミットで演説。トゥンベリさ んは、世界の首脳らが温室効果ガス排出問題に取り組まず、自分たちの世代 を裏切ったと非難し、「よくもそんなことを」と怒りをぶつけた。
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彼女こそ「若者気候サミット」の火付け役。彼女を突き動かしたのは未来への憂 い。ユニークな発想力を生かして「学校ストライキ」を始め、危機を説く次世代の 「顔」として共感を集めた。
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彼女が気候問題を初めて学んだのは8歳の頃だという。海に浮かぶプラスチッ クごみや、飢えたシロクマの映像を学校で見て「頭から離れなくなった」という。 大人の無策を憂慮し、自宅に引きこもったこともあったという。
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両親に温暖化に関する映像を見せ説明した。それまで関心がなかった母は温 室効果ガスの排出が多い飛行機の利用をやめ、父は菜食主義者に。「私でも 変化をもたらせるかも」と感じたという。
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夏でも比較的涼しいスウェーデンが熱波に見舞われた昨年8月、両親の反対を 押し切り、首都ストックホルムの議会前で1人で座り込みを開始。その後も、温 暖化対策を訴え週1回の授業ボイコットを続けた。その姿勢、独特な表現に多く の若者が共鳴した。
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今年1月のスイスでの世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、大人を糾 弾した。「大人は『若者に希望を与えないといけない』と言う。でも希望など欲し くない。私が感じる恐怖を知って行動して欲しい」と大人たちを糾弾した。
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耳目を集めるにつれ発達障害の一つ、アスペルガー症候群であることに批判 的な意見も出てきたというが、だからこそ「枠にとらわれずに問題に向き合え る」と自己分析。「皆と同じだったらストは始めなかったでしょう」。
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彼女は8月、国連の会合で演説するため飛行機ではなく、環境に優しいヨット で大西洋を横断し渡米した。こういう素晴らしい人が世界にはいる。私の故郷 の千葉県にもいるかもしれない。倒れる危険がある立ち木を電力会社と組ん で協定を結んで実行している長野県原町や和歌山県などにはいたのだから。 (by 佐藤 伸 セキュリティ事業部)
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