中国の無人の月面探査機「嫦娥4号」は今月3日に世界で初めて月の裏側に着陸し、搭載していた探査車の「玉兎2号」を月面に降ろして地質の構造や資源の有無などを調査している。探査機の中では地球から持ち込んだ植物の種の生育実験が行われ、国営の中国中央テレビは15日、月で初めて綿花の種を発芽させるのに成功したと伝えた。
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月は昼と夜の寒暖の差が激しく植物が育つのが難しいため実験は温度を一定に保つ特殊な容器の中で行われ、中国中央テレビの画像には綿花の種から緑色の芽が出ているのが写っている。
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またこの容器の中にはカイコの卵やじゃがいもの種も入っていて、ふ化したカイコが排出した二酸化炭素で植物が光合成を行う「小さな生態系」を作る実験も行われているという。
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月の探査をめぐっては一昨年、アメリカのトランプ大統領が月を周回する軌道上に宇宙開発の拠点となる施設を新たに作るよう指示するなど再び重要性が高まっていて、中国とアメリカの開発競争が激しくなっている。
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