警察庁がこのほどまとめたところによると、昨年1年間にインターネットによる銃器密売にからみ、全国の警察が押収した短銃は過去最高の201丁に上ることがわかった。ネットを通じて短銃を購入した大半が会社員や病院職員といったガンマニアで、匿名性の高いネット取引が一般社会への銃拡散の要因になっている実態が浮き彫りになった。 |
警察庁によると、昨年の短銃の押収数は、前年より38丁増えた785丁。このうちネット密売に絡んで押収された短銃は25.62%の201丁だった。 |
ネットで取引された短銃の押収数は、00年にはわずか16丁だったが、一昨年は115丁、昨年は初めて200丁を超えた。その原因は、大型密売事件が摘発されたため。兵庫県警などは米オレゴン州在住の銃器販売店経営者が、日本からのネットの注文に応じて短銃を部品に分解して密輸、販売していた事件を摘発した。全国に広がる40人以上の購入者から押収した短銃は、一昨年分も含め125丁に上った。 |
また、和歌山県警は、ネットで短銃を購入した病院長を銃刀法違反容疑で逮捕し、自宅から短銃37丁を押収した。こうした購入者はガンマニアが中心で、鑑賞用に買っていた。 |
一方、暴力団から押収した短銃は334丁で、全体に占める割合は42.5%と前年より1.3ポイント落ちた。 |