中央省庁の障害者雇用水増し問題を調査した第三者検証委員会(松井巖委員長)は22日、2017年6月1日時点で不正に3700人を障害者として計上していたとする報告書を発表した。
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「法定雇用率(当時2.3%)を充足するため、恣意的で不適切な基準を用いた」と認定。障害者雇用に対する意識が低く、ルールを無視したずさんな運用を少なくとも20年以上続けていた実態が明らかになった。
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問題があったのは、省庁に会計検査院などを加えた国の33行政機関のうち28機関。当初はほとんどで法定雇用率を超えたとしたが、実際にクリアしていたのは6機関にすぎず、省庁全体の障害者雇用率は1.18%にとどまった。政府は雇用率(現行2.5%)を達成するため0.5人と数える短時間勤務者も含め19年末までに障害者4,072.5人を採用する計画だ。
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不正の開始時期は確認できなかったが、遅くとも1997年頃から4機関で現行の手続きが始まっており、報告書は「大規模な不適切計上が長年にわたって継続するに至った」と結論付けた。
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省庁別では国税庁が1,103人で最多。制度を所管する厚生労働省でも不正は行われていた。障害の種別では身体障害者が3,390人と全体の9割以上を占め、総務省では裸眼視力が0.1以下の人を障害者と認定していた。
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また、91人は退職者などすでに在籍していない人で、中には死亡していた人もいた。財務省と観光庁は職員となっていない人を計上していた。
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