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ピッキング盗で広島県警などが中国に捜査資料送付へ 

中国・上海出身者による組織的なピッキング窃盗・詐欺団の事件で広島県警などの合同捜査本部は、盗んだ通帳で現金を引き出す「引き出し役」の元締めとみて詐欺などの容疑で逮捕状を取っている中国・上海出身の劉堅容疑者(38)の捜査資料を近く中国政府に送る。劉容疑者がすでに帰国している可能性が高く、逮捕が難しいため、現地での代理処罰を期待した措置である。窃盗関連事件の捜査で適用するのは全国でも例が少ないという。
劉容疑者は同じ上海出身の蒋阿宝容疑者(38)=入管難民法違反の疑いで送検=らと共謀し、02年9月に広島市西区内のマンションからピッキングの手口で盗まれた銀行の預金通帳や印鑑を使い、中区内の銀行で現金1,500万円を引き出してだまし取るなどした疑い。捜査本部は、蒋容疑者がピッキング窃盗団の首謀者で、劉容疑者が引き出し役の元締めとみている。一連の事件で広島県警は25人を逮捕。被害総額は1億1,000万円にのぼる。
これまでの調べで、劉容疑者は配下に数10人の引き出し役の日本人などを従えて不正に利益を得ていたとみられ、引き出し役のリストを持って携帯電話で指示を出していたという。劉容疑者の行方を追っていたが、すでに昨年6月頃、米国経由で中国に帰国した可能性が高いとみられている。
中国と日本の間には犯罪者の引き渡し条約がなく国際手配ができないため、日本政府を通して中国政府に逮捕状や捜査状況報告書の中国語訳を送る。中国政府が身柄を拘束した場合は、現地での代理処罰(海外に逃げた容疑者について、日本側から捜査情報を提供し、相手国の法律に基づいて処罰してもらう手法)ができるよう異例の措置を取る。


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