東京電力福島第1原発事故で避難を余儀なくされ自殺したとして福島県飯舘村の大久保文雄さん(当時102)の遺族が東電に慰謝料など約6000万円を求めた訴訟の判決が20日、福島地裁であった。
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金沢秀樹裁判長は事故と自殺の因果関係を認め、東電に1,520万円を支払うよう命じた。
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判決は、飯舘村で生活できなくなるなど大久保さんは事故の影響で耐えがたい精神負担を受けたと指摘。「自死は事故により発生したと認めるのが相当」と判断した。
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判決によると、大久保さんは2011年4月11日、村が計画的避難区域に設定されたことを報道で知り、「おらは避難したくねえな。ちいと長生きし過ぎた」と家族に漏らした。翌12日未明、自室で首をつって死亡しているのが見つかった。
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判決後、記者団の取材に応じた大久保さんの義理の娘で原告の美江子さん(65)は「(提訴から)2年半は長かったが、やっとじいちゃんの思いが皆さんに届いた。これからは安らかに眠ってほしい」と語った。
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