JR西日本の新幹線「のぞみ」の台車に亀裂が見つかった問題で、同社の来島達夫社長は5日記者会見し、経営責任を明確にするため自身を含む役員11人の報酬の一部を返上すると発表した。
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鉄道本部長の吉江則彦代表取締役副社長は本人の申し出により、同日付で取締役に降格した。
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来島、吉江両氏は役員報酬の5割を3ヶ月返上する。11人のほか、常勤監査役2人も報酬の一部を自主返上。鉄道本部車両部長は戒告処分にした。役員人事では、吉江氏を降格する一方、新たに3人を代表取締役副社長に昇格させ、従来の2人から4人に増やした。
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問題の「のぞみ」は、乗務員らが異常に気付きながら、運転を継続させた。来島社長は経営責任について、「新幹線の安全マネジメント体制に不備があったことと、会社の信用を大きく失墜させた結果に対する責任がある」と説明。人事に関しては、「安全性に対する信頼回復に向けて一刻の猶予も許されず、体制を早急に強化する」と述べ、自身の辞任は否定した。
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また、問題を検証するために社外の有識者会議(座長・安部誠治関西大教授)を8日に設置し、初会合を開く。安全運行に向けたルールや仕組みの見直しについて今月中に中間報告をまとめ、3月末をめどに提言を策定する予定。
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