法務省は17日、2017年版犯罪白書を公表した。昨年1年間に刑務所に入所した受刑者は2万467人(前年比5%減)で、これまで最も少なかった1992年を下回り戦後最少となった。
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一方、1年間に入所する高齢者(65歳以上)の人数や高齢者率はこの20年間で大幅に増加し最多を更新。昨年入所の高齢者は2,498人で97年から約4.2倍になった。約7割が入所2度目以上で、高齢者の再犯状況の深刻さも改めて浮き彫りになっている。
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昨年の刑法犯認知件数は99万6,120件で14年連続で減少し、戦後初めて100万件を下回った。検挙者数は13年から戦後最少を更新し続け、昨年は22万6,376人(前年比5.4%減)だった。
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しかし、高齢者については、昨年の検挙者数が4万6,977人(同1.4%減)と他の年齢層と比べて高止まりの状況である。罪種別では、窃盗が約7割を占めるが、近年は傷害や暴行が著しく増えており、強盗も増加傾向にある。女性高齢者では約9割が窃盗だった。
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政府は刑務所出所から2年以内に再入所する人の割合(2年以内再入率)を21年までに16%以下にする数値目標を設定。15年の出所者の2年以内再入率は18%で、前年の出所者から0.60ポイント低下した。
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年齢層別で見ると、29歳以下は11.1%、30~64歳は18.1%、65歳以上は23.2%だった。高齢者は例年、他の年齢層よりも高くなっている。
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白書は、昨年12月に刑務所出所者らの再犯防止を国と地方自治体の責務と明記した「再犯防止推進法」が成立したのを受けて、「更生を支援する地域のネットワーク」と題した特集を掲載。犯罪や非行をした人の立ち直りに対する国民の意識を調査し、「立ち直りに協力したい」と回答した人は約6割だったが、複数回答で「直接的な支援をしたい」と答えた人はそのうち約2割にとどまっている。
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