神戸製鋼所の川崎博也社長は10日夕刻、一連の検査データの改ざん問題について社内調査の結果を公表した。経営陣が収益を重視するあまり現場の実態を把握してこなかったことや納期を優先する風土などが不正につながったとして再発防止に取り組むとしている。
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川崎博也社長はこの日、経済産業省を訪れ一連のデータ改ざん問題について謝罪したうえで社内調査の報告書を提出した。報告書によると、一連の不正について工場で起きているこれほどの事態を経営が問題として取り上げ対応できていなかったこと自体が大きな問題だとしたうえで、経営陣が収益を重視するあまり工場などの現場の実態を把握してこなかったことが不正につながったとしている。
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また、生産や納期を優先する風土のもと検査が軽視され、顧客からのクレームがない限り問題がないと考えるなど品質への意識が低かったと指摘している。さらに、不正が行われた範囲が売り上げの数%の規模に達し、申告するのが難しくなったことや異動が少なく閉鎖的な組織だったことが長年、不正が続けられた背景にあるとしている。
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一方、再発防止策として品質監査部を新たに設置してチェック機能を強化するほか、検査データの改ざんを防ぐためデータの記録を自動化するなどの取り組みを徹底するとしている。
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神戸製鋼は今回の社内調査とは別に、年内をめどに外部の弁護士がまとめる調査の結果をふまえ、川崎社長や関係者の処分を決めることにしている。
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