宮城県石巻市議会は30日、東日本大震災の津波で犠牲になった宮城県石巻市立大川小学校の児童23人の遺族が市と県を相手取り損害賠償を求めた訴訟で臨時会を開き、学校側の過失を認め賠償を命じた仙台地裁判決を不服として控訴承認を求める議案を賛成多数で可決した。期限の11月9日までに同地裁に控訴状を提出する。
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控訴する理由について、亀山紘市長は「教員は大規模な津波が来ることを予見できず、今後の学校防災に重要な影響を与える」などと述べた。議員から「行政として遺族の心情に鑑みることが大事だ」と反対する意見もあったが、議案は賛成16、反対10で可決された。
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地裁判決は、教員は遅くとも津波到達の約7分前には危険を予見できたと指摘。津波による被災を回避できる可能性が高かった学校の裏山に児童を避難させるべきだったとして、市と県に総額約14億2,600万円の支払いを命じた。
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大川小は津波による被害で、児童74人、教職員10人が犠牲になった。
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