小池都知事が立ち上げた4年後の東京オリンピック・パラリンピックの予算の妥当性などを検証する調査チームは29日午前、1回目の調査結果を公表した。開催費用を独自に推計した結果、3兆円を超えるとしたうえでコスト削減に向け都内に整備する予定の3つの競技会場を都外の施設へ変更するなど計画の大幅な見直しを提案した。
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それによると、都が当初7,340億円としていた開催費用について施設の整備費と、警備などを含む大会運営費を独自に推計すると3兆円を超えるとしていて、このままでは都民に大きな負担を強いることになると分析している。そのうえでコスト削減に向け、都内に整備する予定の3つの競技会場を都外の施設へ変更するなど計画の大幅な見直しを提案した。
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このうち、東京・臨海部に整備されボートやカヌーの会場となる「海の森水上競技場」については整備費用が当初の7倍にあたる491億円に膨らんでいることなどを重視し、宮城県登米市にあるボート場などへの変更を提案している。
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江東区に整備される水泳会場の「オリンピックアクアティクスセンター」は施設の規模を見直し、同じ江東区の「東京辰巳国際水泳場」を改修して代替利用する可能性を検討すべきとしている。
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さらに、バレーボール会場として江東区に整備される「有明アリーナ」は、大会後の活用方法の見通しが甘いとして事業全体の見直しを検討するほか新たな整備を取りやめ、すでにある施設の活用を検討すべきとしている。
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調査チームは29日の提案について、今後1ヶ月をメドに選択肢を絞り込む必要があるとしている。小池知事は「今回の提言は、大変貴重であり、重い。解決に向けて加速度的に進め、賢い支出の観点で判断したい」と述べ、提案についての可否を判断することにしている。
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