ひったくりなどの街頭犯罪を防ぐため警察庁の主導で設置された最寄りの警察署と通話ができる機能などを備えた「スーパー防犯灯」が静岡県内ではすべて故障していることが14日わかった。この防犯灯には県の予算が毎年約900万円使われていて、県警は「修理できないものは撤去も考えたい」としている。
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「スーパー防犯灯」は、ひったくりや自転車の盗難などの街頭犯罪を防止しようと15年ほど前から国の補助金などを使って全国の約500ヶ所に設置された。静岡県内では2005(平成17)年以降、静岡市や浜松市などに35基が設置された。防犯灯はスイッチを押すと最寄りの警察署と通話ができるほか、カメラの映像が電送される仕組みになっている。
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ところが静岡県警によると、浜松市内では3年前から10基すべてが故障して取り外されているのを始め、そのほかの地域でも今年6月以降はすべての防犯灯で通話機能が使えなくなり、故障した状態だという。
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「スーパー防犯灯」には管理費などとして県の予算が毎年約900万円使われているが、この10年で有効な通報は約110件で、今年は1件も寄せられていないという。県警は「犯罪の抑止に一定の効果はあったと考えているが、一部の部品は製造が終わっており、修理できる見込みのないものは撤去することも考えたい」としている。
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