宮内庁は5日、「生前退位」のご意向を周囲に示している天皇陛下が、象徴としての務めについてのお気持ちを8日午後3時からビデオメッセージの形で表明されることが決まったと正式発表した。国民に広く伝えたいという陛下の意向を受けて行われるという。
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陛下がビデオメッセージを発表するのは、2011年の東日本大震災の5日後に行われて以来、2回目となる。
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同庁によると、映像は約10分間で、象徴天皇としてのあるべき姿や、今後の公務についての考え、82歳の今の体調や加齢の影響などに言及するとみられる。
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「生前退位」の実現には皇室典範改正などが必要だが、憲法4条は「天皇は、国政に関する権能を有しない」と定めており、陛下の発言によって政治的な影響が出ないよう、退位に関する直接的な言及は控えるとみられる。
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7月13日の「生前退位」のご意向報道以降、同庁が陛下の意向を受け、お気持ち表明の機会を早期に設けることで調整。6日の広島、9日の長崎の原爆の日、15日の終戦の日のほか、予定されていた皇室行事などを避け、8日午後で決まった。
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発表方法については当初、毎年恒例の誕生日会見と同様、記者が立ち会う形式や、テレビの中継の可否についても検討したが、「陛下のお気持ちを確実に、正確に、分かりやすく伝える一番ふさわしい方法」(同庁幹部)として、東日本大震災直後のビデオメッセージと同様の形式にすることを決めた。
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映像は陛下のお気持ち表明と共に、全文、英語訳と併せ、宮内庁ホームページに掲載される。
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