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EU不信が噴出=英国民投票

23日の英国民投票で「欧州連合(EU)離脱」が確実となったのは、これ以上EUにとどまっても、移民増加などのデメリットが大きいと有権者が判断したためだ。
長年鬱積してきた英国のEU不信がついに噴出したといえる。
英国がEUに加盟したのは経済的利益が狙いだった。しかし、EUの東方拡大で新たに加わった東欧から英国への移住が急増。金融危機で景気が冷え込むと、「加盟国市民は域内のどの国でも自由に働ける」というEUの原則は、英国民にとって欧州の不況を英国に「輸出」する仕組みに感じられるようになった。
さらに、ギリシャ危機や難民危機、フランスやベルギーのテロで、EUの後手後手の対応が次々に露呈。英国民の反EU感情は頂点に達した。
ジョンソン前ロンドン市長ら離脱派は「EU脱退を通じて主権を取り戻し、移民増加に歯止めをかけよう」と主張。「古き良き英国」への回帰を願う高齢者や、社会不満のはけ口を探す低所得層を中心に、幅広い支持を集めた。
一方、残留を呼び掛けたキャメロン首相は、EUを脱退すれば英経済は移民問題と比べものにならない大きな打撃を受け、有権者の生活水準が低下すると強調。大企業経営者や著名経済学者、各国首脳も離脱のリスクを警告したが、有権者を説得する決め手を欠いた。
離脱派は「英国は世界5位の経済大国。離脱した方が景気は良くなる」と訴えた。しかし、開票結果が伝わった金融市場は大きく動揺。「離脱ショック」が世界に波及する事態も懸念される。グローバル化の時代に有数の先進国が国際協調に背を向け、急進的な排外主義を選択するとどうなるか。英国は危険な賭けに一歩を踏み出した。


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