国際原子力機関(IAEA)は8月31日、2011(平成23)年3月の東京電力福島第1原発事故の検証結果をまとめた最終報告書を公表した。報告書は、大事故につながった主な要因として「原発は安全だという思い込みが日本にあった」ため、備えが不十分になったと指摘。教訓を共有するよう国際社会に求めた。
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報告書は、自然災害などに対する同原発の脆弱性が、組織的、包括的に点検されていなかったことを問題視。自然災害の想定に際しては、複数の災害が「同時に起きたり、連続して発生したりする可能性を踏まえ、原発への影響を考慮する必要がある」と訴えた。
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また、同原発の運転員らは複合的な電源や冷却機能の喪失に十分な備えをしていなかったと指摘。適切な訓練を受けておらず、悪化した事態に対応する機器も不十分だったとした。
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事故当時は、原子力の安全に関わる問題で、どの組織が責任と権限を持って拘束力のある指示を出すかがはっきりしていなかったと指摘。国と地方レベルで原発の緊急事態や自然災害に対処する際の足並みがそろっていなかったと結論付けた。
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