2020年東京五輪のエンブレムがベルギーのリエージュ劇場のロゴと酷似していると指摘された問題で、エンブレム制作者の佐野研二郎氏(43)が5日午前10時に東京都内で記者会見し、「盗用ではないかと指摘を受けたことに驚いているが、全くの事実無根。これまでの知識、経験の集大成として仕上げた」と述べ、作品はオリジナルであることを強調した。
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この問題をめぐっては、リエージュ劇場のロゴをデザインしたオリビエ・ドビ氏の代理人が「劇場ロゴの盗作」と主張し、エンブレムの使用差し止めを求める文書を日本オリンピック委員会(JOC)などに送った。
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佐野氏は指摘について「驚いたとともにショックで、つらいと思った。ベルギーに行ったこともないし、ロゴも見たことがない」と表情を硬くして釈明。その上で、劇場ロゴがTとLの文字でつくられていることを指摘し、「こちらはTと円がベース。デザインの考え方が全く違う」と訴えた。
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佐野氏が制作した五輪とパラリンピックのエンブレムは、開催まで5年となった7月24日、大会組織委員会が国内外の104作品から選ばれた作品として発表した。組織委の槙英俊マーケティング局長は、ドビ氏側から届いた文書への対応は国際オリンピック委員会(IOC)と協議中とし、「何ら心配がないとスポンサーには言い続ける」と述べ、問題がないとの認識を改めて示した。
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