NHKが被爆70年にあわせて広島市と長崎市、それに全国で原爆に関する世論調査を行ったところ、広島に原爆が投下された日付につい「昭和20年8月日」と正しく答えることができた広島市民は69%で、前回、5年前の調査を1%下回り、これまでで最も低くなったことが21日わかった。NHKは6月26日から3日間、広島市と長崎市、それに全国の20歳以上の男女を対象に、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行った。
|
広島市で調査対象になったのは1,973人で、このうち57%にあたる1,130人から回答を得たほか、全国では1,781人を対象にして1,024人から回答を得た。このなかで、広島に原爆が投下された日付について尋ねたところ、「昭和20年8月6日」と正確に答えることができた人は広島市で69%で、これまでで最も低かった5年前の前回調査から1ポイント減った。
|
前回の調査以降、方法が変わったため、単純に比較することはできないが、昭和50年の調査開始以来、最も低くなっている。
|
一方、全国で正確に答えることができた人は30%と、前回の調査より3ポイント上昇したが、広島の人に比べると半分以下の水準にとどまっている。
|
また、年代別に見ると、広島では60代の人の81%が正確に答えられたのに対し、20代と30代で正確に答えられた人は61%で、若い世代の低さが目立っている。
|
被爆者の高齢化が進み、広島でも被爆体験を聞く機会が少なくなるなか、若い世代や全国の人に原爆に関する基礎的な知識や原爆被害の悲惨さをどのように伝えていくかが問われている。
|