兵庫県警は昨年、現職警官が強姦(ごうかん)致傷や加重収賄容疑で逮捕されるなど不祥事に悩まされたが、全警察職員に家族や恋人の写真を携帯させて勤務にあたらせることになった。5日から本格的に実施する。「大切な人を思えばこそ、仕事もきちんとこなせるはず」という狙いだが、現場からは「犯人を追いつめる危険な任務の時にはちゅうちょしてしまう恐れがある」といった声も出ている。 |
対象は県警所属のすべての警察官と一般職員計約1万1,000人。写真は夫や妻、子ども、両親のほか、婚約者や恋人でも構わない。勤務中は常時、携帯を義務づける。抜き打ち検査で所持しているかどうかもチェックする方針である。 昨年12月に幹部らで決め、全員に指示した。幹部の一部はすでに実施している。 |
同県警では昨年1月、巡査が女子高生をホテルに連れ込んで強姦しようとしたとして強姦致傷容疑で逮捕された。同8月には巡査部長が酒に酔って電車内で痴漢をしたとして県迷惑防止条例違反(痴漢行為)の疑いで、同10月には警部補が個人情報を教える見返りに謝礼を受け取ったとして、加重収賄容疑で逮捕されている。 |
同県警が「写真作戦」を打ち出したのは、言葉のみの訓示や指示だけでは不祥事を防ぎきれないからだという。 |