第153回芥川賞と直木賞の選考会が16日夜、東京で開かれ、芥川賞にお笑い芸人として活躍する又吉直樹さんの「火花」と、羽田圭介さんの「スクラップ・アンド・ビルド」の2作品が選ばれた。また、直木賞には東山彰良さんの「流」が選ばれた。
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これまで、芸能界からはミュージシャン、辻仁成さんが「海峡の光」(97年)、同じく町田康さんが「きれぎれ」(00年)で同賞を受賞しているが、お笑いタレントの受賞は初めて。
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又吉直樹さんは大阪・寝屋川市出身で東京在住の35歳。相方の綾部祐二さんとお笑いコンビ「ピース」で活動し人気を集めている。中学生の頃から太宰治の小説に親しむなど読書家として知られ、これまでもエッセーなどを執筆してきたが、小説デビュー作の「火花」が今回、芥川賞を受賞した。
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同時受賞となった羽田圭介さんは東京都出身の29歳。高校3年生の時に発表した「黒冷水」が史上最年少で文藝賞を受賞し、小説家としてデビューした。その後は毎回、異なったテーマで作品を発表し、自転車で旅をする高校生の青春の1コマを描いた「走ル」で初めて芥川賞の候補に選ばれてから今回、4回目の候補で受賞した。
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直木賞の東山彰良さんは台湾出身の46歳。9歳で福岡県に移り住んだあと、平成14年、中国の大学院に留学中に書いた「タード・オン・ザ・ラン」で第1回「このミステリーがすごい!」大賞の銀賞・読者賞を受賞した。直木賞は初めての候補で受賞となった。
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