市民が参加する裁判員裁判の対象から、審理に著しく時間がかかる「長期裁判」を除外できることなどを盛り込んだ改正裁判員法が5日、参院本会議で可決され、成立した。裁判員の負担に配慮し、裁判員裁判の対象となる事件であっても、裁判官だけで審理できるようになる。2009(平成21)年に裁判員制度が始まってから初の法改正となる。
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現在の裁判員法は、暴力団員が被告となる事件など裁判員やその親族に危害がおよぶ恐れがある場合に、審理の対象から外すことを認めている。改正法では、審理期間が「著しく長期」である場合も対象から外せると規定する。
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ただ、除外の基準となる審理日数などは定めておらず、裁判員の負担を考えて事件ごとに判断する。これまでで最も長い裁判員裁判は、神戸地裁で審理が続いている兵庫県尼崎市の連続変死事件の140日。こうしたケース以上の長期にわたる場合に除外が検討されるとみられる。
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改正法はほかに、大災害が起きた際、被災地の市民は裁判員を選ぶ手続きに呼び出されないことも規定。今回の改正法が施行されて3年後に再び制度の見直しを検討することも盛り込んだ。近く公布され、公布から半年後に施行される。
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