学校に不審者が入り込み、児童に危害を加える事件が全国で頻発していることから、八戸市教育委員会は、1月下旬から市立小学校全校に「さすまた」を配備することを決めた。不審者対策の決め手がなかなか見つからない中、ハイテク機器とは対極にある古来の捕物道具を活用して安全対策の向上を図っていく。 |
市教委によると、不審者対策としてはこれまで校内の巡視や昇降口の施錠、来校者の確認の徹底、避難訓練の実施などを各校に呼び掛けてきた。だが、侵入された場合の対策が必要と考え、さすまたの配備を決めたという。 |
さすまたは、江戸時代に犯罪人を捕らえるために用いられた道具で、長い柄の先にU字形の金具がついており、相手を壁や地面に押さえつける。今回は防犯器具メーカーが製造しているアルミ・スチール製のものを購入し、市立小学校43校に3本ずつ配置する。不審者が教室などに入ってきた場合、教職員らがさすまたで不審者を押さえ込んでいるうちに児童を避難させる。 |
当初は監視カメラの設置なども考えたが、監視カメラの映像を誰かが常時監視していなければ意味がないなど、必ずしも決め手となっていないことから、実戦的な道具であるさすまたを選択したという。 |
市教委の沼畑龍男教育政策課長は「不審者に侵入されないことが基本だが、万が一、入られた場合はどうすべきかを考えた。各学校がさすまたの使い方を覚え、子どもたちの安全を守ってほしい」と話している。 |