福岡県で発生した偽千円札の偽造通貨行使事件で偽札の発見は増加の一途をたどり、約300件、1,000数百枚に上っていることが28日、福岡県警の調べでわかった。 |
記番号が一致しており、同一グループが大量に偽造、使用し続けているとみられるが、県警は、1,000枚を超える大規模な犯行は前例がないとしている。被害は福岡、筑豊地区に集中しており、県警は両地区に土地カンがあるグループの犯行とみている。 |
調べによると、偽千円札は今夏以降、福岡市、筑紫野市などの清涼飲料水、たばこの自動販売機で使われ始め、福岡市の約200枚を中心に、今月中旬までに500枚以上が確認されていた。また、佐賀県鳥栖市や大分県豊後高田市でも計約70枚が見つかった。 |
被害はその後も増え続け、27日までの累計では、福岡市で計108件(約500枚)に上っているほか、筑紫野、太宰府、大野城、春日市、那珂川町で計52件(約300枚)、古賀市や粕屋郡で計46件(約200枚)となるなど、福岡地区が220件と突出している。 |
また、飯塚、直方、田川市と嘉穂、鞍手、田川郡の筑豊地区でも計42件(200枚以上)が発生している。その一方で、北九州市は8件、数10枚と少なく、小倉北、小倉南、門司、戸畑区では確認されていない。 |
表面にしるされている記番号は、数種類あったが、詳細に分析したところ、「EM」で始まり、「T」で終わるものが大半で、その間の6桁の数字だけが違っていることがわかった。 |
自販機の紙幣識別機の磁気センサーを誤認させるため、磁気インクを使ってパソコンで印刷したとみられ、裏面は真券と変わらないほど精巧だが、表面は真券に比べて印刷が濃かったり、赤みがかったりしているという。 |
被害は、商店前や幹線道路沿いなど、自販機が固まって設置されている場所がほとんどで、1件の使用枚数は最多で約30枚、平均でも5枚程度。旧式の自販機から大量に見つかるケースが多く、内蔵されている硬貨入りの釣り銭箱が空になるまで使用し続けている。県警は、福岡、筑豊両地区の道路事情に詳しい犯行グループが、車で移動しながら犯行を繰り返しているとみて、自販機が多数設置されている場所のパトロールに力を入れている。 |