ゼンショーホールディングス(HD)傘下の牛丼チェーン店「すき家」の労働環境改善の取り組みを確認・評価する有識者組織「職場環境改善促進委員会」(委員長・白井克彦放送大学学園理事長)は8日、同社のこれまでの過重労働改善の取り組みについて「困難な状況の中でベストを尽くし、おおむね良好と受け止める」と評価する報告書を発表した。報告書は3月31日付で会社側に手渡された。
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改善で評価できる点として、(1)分社化されたことで社員、クルーの勤務状況の把握などが円滑にされるようになった、(2)クルーの採用強化と研修の徹底で店舗の運営されるようになった、(3)深夜時間帯の1人勤務体制(ワンオペレーション=ワンオペ)を根絶するため複数勤務体制を推進し、実現できない店はあえて深夜営業を停止した-など6点を上げた。
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改善の具体的なデータとしては、月間の時間外労働100時間以上の社員数が、昨年3月の全418人中231人(55.3%)から、今年2月は全854人中0人(0.0%)に減ったこと、社員の月間平均残業時間が昨年10月以降、法定の45時間を下回るようになったことなどを示した。
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8日午前の発表会見に臨んだ白井委員長は、記者からの「ゼンショーHDは『ブラック企業』から脱却できたか」との問いに、「少なくとも働く人が納得できるようになり、表面上、過酷な労働環境ではなくなった」と話した。
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