朝日新聞社は5日、大阪市内で臨時株主総会と臨時取締役会を開き、東京電力福島第1原発の事故に関する「吉田調書」報道の記事取り消しや、従軍慰安婦報道の記事取り消しで謝罪しなかったことなどの責任を取り、木村伊量社長(61)が正式に辞任した。後任の社長に渡辺雅隆取締役(55)が就任し、飯田真也上席執行役員(63)が代表権のある会長に就いた。
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木村前社長は臨時株主総会で謝罪し、予定されていた「顧問」への就任を辞退した。朝日新聞は先月14日、木村氏が社長辞任に併せて「特別顧問」に就任するとの予定を公表した。その後、同社は同28日の取締役会で「顧問」への就任に変更していた。
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5日夕、同市内で記者会見した渡辺新社長は、年内をめどに再生計画をまとめることや、誤報防止の仕組み作りに取り組むことなどを明らかにした。「誤りは自らすみやかにただす新聞社だと評価していただける日まで、体を張ってやり抜く覚悟だ」と述べた。
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木村前社長は記者会見には姿を見せなかった。渡辺社長は「(吉田調書の記事取り消しを発表した)9月の記者会見で『責任を逃れられない』と言い、11月の退任表明でも経緯を説明し、コメントも出した」と釈明した。
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