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高止まりする万引き、刑法犯は200万件割るが=犯罪白書

上川陽子法相は14日午前の閣議で、2014年版犯罪白書を報告した。13年の刑法犯認知件数は191万7,929件で32年ぶりに200万件を下回ったが、再犯者率は1989年以降で最悪の46.7%となった。
刑法犯のうち窃盗の認知件数は、98万1,233件で過半数を占めた。白書では「窃盗事犯者と再犯」を特集。窃盗の主な手口別に傾向を分析したところ、車上狙いや侵入などが減少する一方、万引きだけは12万6,386件で高止まっていた。
刑法犯から自動車運転過失致死傷などを除いた一般刑法犯で65歳以上の高齢者を見ると、女性の83.5%が万引き犯で、男性高齢者でも48.2%が万引き犯だった。
この2014年版犯罪白書では、刑法犯の過半数を占める窃盗の再犯率が高い現状をふまえ、「初犯者などへの再犯防止対策が重要」として、万引きをして初めて起訴された人を対象に実施した調査の結果を盛り込み、動機や背景を生活困窮や社会的孤立、精神疾患などに分類し、改めて「特性に応じた処遇を」と指摘している。
昨年の万引きの認知件数は12万6,386件。00年代前半から大幅減少した車上狙いや侵入盗とは対照的に、10万~15万件台を推移している。他の手口に比べて防犯対策が取りにくいのが一因とみられている。調査対象は11年6月に有罪が確定した546人(男性317人、女性229人)で、裁判記録を精査するなどしている。
その結果、29歳以下の若年者は19.8%、65歳以上の高齢者は26.7%がその後2年間に窃盗の再犯に及んでいた。高齢者のうち女性の再犯率は37.5%だった。
就労状況をみると、男性の63.2%が「勤労意欲なし」「就職難」などを理由に無職。女性の無職理由では精神疾患が14.4%と高く、うつ病や摂食障害が目立っている。男性は住居不定や独居も多く、約7割が未婚か配偶者と離別・死別で、社会的孤立も背景にあることが浮かんだ。女性は半数が婚姻していたが、ストレス発散や家庭内トラブルといった動機が少なくなかった。
検挙された人のうち、繰り返して犯罪を犯す「再犯者」の割合は高く、再犯の傾向が強い窃盗で検挙された中高年へのサポート体制の構築が重要になっている。


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