22日午前10時前(日本時間の22日午後11時前)、カナダ東部の首都オタワにある連邦議会の周辺で複数の発砲があった。警備に当たっていた兵士1人が撃たれ、発砲した男は連邦議会の議事堂の方向に逃走した。その後、議事堂の中で警察との間で銃の撃ち合いとなり男が射殺された。
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最初に撃たれた兵士は死亡し、このほか2人が怪我をしたが命に別状はないという。警察は、議事堂やその周辺を閉鎖して、ほかに仲間がいないかどうか調べている。発砲があった時、議事堂内にはカナダのハーパー首相もいたが、首相は無事で、議事堂から離れたという。
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カナダでは今月、政府がイラクやシリアで勢力を強める「イスラム国」に対する軍事作戦への参加を決めたことから、国内でこれに反発するテロが起きる可能性があるとして治安当局が警戒を強めていたところだった。
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その後、射殺された容疑者の男がテロリストの疑いで監視対象となっていたことがわかった。男はマイケル・ゼハフビボー容疑者(32)と特定された。カナダの情報当局は、同容疑者を「高リスク渡航者」として監視対象としていたという。同容疑者は最近、当局にパスポート(旅券)をはく奪されていたという。
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ハーパー首相はテレビ演説で「カナダもテロ攻撃とは無縁でないことが明らかになった」と述べ、事件の解明に全力を挙げる考えを示した。
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カナダのテレビ局は、容疑者について2003年に強盗と武器の所持で禁錮2年の有罪判決を受けていたと伝え、また違法薬物所持の疑いでも捜査対象になっていたという。
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カナダ当局は、「国内または国外の個人または団体がテロ行為を実施する意図や能力を持っていることを示す情報を入手した」として90人を監視していることを明らかにしていた。
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