熊本県玉名市中のJR玉名駅前通りの空き店舗を利用して、地域住民など民間ボランティアらが防犯や交通事故防止活動に取り組む拠点施設として「駅前パトロールセンター」(民間交番)が20日、オープンする。玉名署によると、同種の取り組みは全国的にも珍しく、県内では初めての試みという。 |
同駅周辺を含む玉名町小学校区は、車上狙いなどの街頭犯罪の発生件数が、玉名署管内全体の約37%を占めている。しかし、駅前に交番がないこともあり、発生は増加傾向にある。商店街には空き店舗が目立っており、防犯対策と、「一店でもシャッターを開けて、街の活性化につなげたい」という地元の思いが一致して、開設が実現した。 |
利用する空き店舗は、木造2階建てで、当初は1階を使用する。センターの運営協議会は、地元区長や商店会、同駅などで組織される。熊本県警から委託された民間警備会社が同市を巡回している「セーフティパトロール隊」もここを巡回拠点にし、午後1~10時までは常駐する。民間警備会社にも立ち寄ってもらうほか、住民らが随時、防犯情報などの受信・発信拠点として使うことにしている。 |
課題は、家賃を含め月に約十万円かかる資金面。来年三月までの運営費は、各種団体の寄付などで賄う予定だが、来年度については近く、玉名市に予算措置を要望する。 |
センター長を務める地元区長の中島哲也さん(70)は「駅周辺は玉名市の玄関口。犯罪と空き店舗が減り、暮らしやすくなることで、地域が活性化すればうれしい」と話している。 |