厚生労働省は15日、JR池袋駅(東京都豊島区)近くで起きた暴走車による8人死傷事件で、逮捕された男が使用した脱法ドラッグについて幻覚などの健康被害を引き起こす成分が含まれていたことから薬事法で規制できる薬物に緊急指定した。この事件で逮捕された男が吸っていた脱法ドラッグには、大麻に似て幻覚やめまいを引き起こす2種類の成分が含まれていた。
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健康被害を引き起こすおそれがある脱法ドラッグについて、厚労省は「指定薬物」に指定して取り締まりを行っているが、指定には専門家会議を開くといった手続きが必要で、これまで半年程度かかっていたことから東京都が緊急指定するよう求めていた。
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厚労省によると、薬事法には緊急を要する場合には通常の手続きを経ないで指定できる規定があるが、実際に緊急指定が行われたのは初めて。厚労省は脱法ハーブを含む脱法ドラッグが原因とみられる事件や事故が相次いでいることから、ほかの脱法ドラッグについても緊急指定を行うかどうか検討することにしている。関係省令を25日に施行する。
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