警察庁の米田長官は26日、幹部と全国の警察本部長ら約150人を集めた会議で、振り込め詐欺の被害額が過去最悪だった昨年を上回るペースで増えていることについて、「非常に深刻だ」として強い危機感を示し、対策を徹底するよう指示した。
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米田長官は、今年の振り込め詐欺の被害額が3月末までに、全国で約130億円にのぼり、昨年を上回るペースで増えていることについて、「この種の犯罪に参入する人数が大幅に増えた可能性があり、治安に与える影響は非常に深刻だ」と述べた。
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そのうえで、「口座の凍結や宅配業者への働きかけなどの対策はいまだ温度差、地域差がある」として、取り組みが進んでいない地域や被害が大きい地域の警察本部は関係部門の連携を密にし対策を徹底するよう指示した。
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また米田長官は、相次ぐサイバー攻撃について「新手の攻撃を完璧に防ぐことは非常に困難で、いかに被害の拡大を防ぐかがポイントだ」と述べ、攻撃を受けた企業などと速やかに情報を共有し、被害の拡大防止に努めるよう併せて指示した。
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さらに米田長官は、ストーカーや虐待など人身の安全に関わる事案について、「失敗は許されない」と強調。「『捕まえてなんぼ』とともに、危険を『阻止してなんぼ』が刑事の神髄だ」と述べ、警察本部が最初から関わり、安全確保を最優先に臨むよう訓示した。
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米田長官は、児童や若い女性が狙われるような国民の不安感を増大させる事件では「本部長が統率し、最高度の緊張感を持って対処してほしい」と指示。殺人でなくても捜査本部を設置し、不安感の低減を狙った情報発信も考えるべきだとした。
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