日本最古の企業とされる建設業の金剛組(大阪市天王寺区)が、14年3月期単体決算で4期ぶりに黒字転換を果たしたことが18日わかった。親会社で中堅ゼネコンの高松コンストラクショングループによる支援に加え、耐震関連の受注増も追い風となり、超“老舗”企業は経営不振のトンネルを抜け出たようである。
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高松グループによると、金剛組の最終損益は1億7,700万円の黒字(前期は1,800万円の赤字)で、06年1月の高松グループ傘下入り後、1億円以上の最終黒字を計上するのは初めて。10年3月期にも黒字を計上したが、その後は赤字経営が続いていた。
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飛鳥時代の敏達6(西暦578)年に創業した金剛組は、1,400年を超える社史をもつ。聖徳太子の指示で四天王寺(大阪市天王寺区)を建立するなど寺社仏閣向けの木造建築・修理に強みをもつが、コンクリート建築など事業の多角化でつまずき06年以降は創業家一族による経営体制を改め、高松グループ傘下で再建を進めていた。
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東日本大震災の後、寺社仏閣向けの建築・改修工事で災害発生に備えた耐震関連の受注が増え、不採算工事を整理するなどのリストラも進めたことで、収益が改善した。15年3月期も前期並みの黒字を見込む。
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高松グループの関係者は、「もともと金剛組の宮大工らの技術力は高い。そこに当社が持つ経営ノウハウを導入したことで黒字体質となった。金剛組は本格復活した」と話している。
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