刑務所で服役後、無実が明らかになった富山県内の柳原浩さん(46)が国や県に損害賠償を求めている裁判で、柳原さんの取り調べを行った検察官への尋問が21日行われ、無実を示す証拠があったのに起訴したことについて検察官は、「記録は見たが内容を精査していなかった」と述べた。
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この裁判では、女性に乱暴した罪などで刑務所に2年1ヶ月服役後、無実が明らかになった柳原さん(46)が「無実を裏付ける証拠があったのに無視され、自白を強要された」として国や県に対して約1億円の損害賠償を求め、21日に富山地方裁判所で開かれた裁判で事件当時、柳原さんを取り調べ起訴した検察官に対する尋問が行われた。
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この事件では事件が起きた直前、柳原さんが自宅で電話をしていたことを示す通話記録があり無実の証拠となった。これについて検察官は「記録は見たが、内容を精査していなかった」と述べた。また、現場で見つかった足跡が柳原さんの靴のサイズより4センチも大きかったことについては「大きいサイズの靴を履いていると思い、調べる必要がないと思った」と述べた。
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柳原さんに対する尋問も行われ、柳原さんは「無実が明らかになったあとも、裁判を起こしていることなどから職場で嫌みを言われ、今も就職先が見つかっていない。冤罪の被害者を2度と作ってほしくない」と述べた。
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裁判の後、柳原さんは記者会見し、「検察官は、警察の調書をなぞっただけで起訴していたことが分かった。このような調べ方をしていては冤罪はなくならない」と述べた。
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