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STAP細胞論文は「合理性の高い仮説」-共同執筆の笹井氏が会見


STAP細胞の論文を小保方晴子研究ユニットリーダーと共同で執筆した理化学研究所の笹井芳樹副センター長が16日午後3時から東京都内で記者会見し、「このたびは、たいへん多くの混乱とご心配、また疑惑を招く事態となりましたことを、心からお詫び申し上げます」と謝罪した。
STAP細胞の論文をめぐっては理化学研究所の調査委員会が4月1日、小保方リーダーが改ざんやねつ造の不正を行ったとする調査報告を発表し、論文を共同で執筆した笹井芳樹副センター長についても不正行為はなかったもののデータを確認することなく論文を投稿していて、その責任は重大だと指摘した。
都内で記者会見した笹井副センター長は、はじめに「このたびは、たいへん多くの混乱とご心配、また疑惑を招く事態となりましたことを、心からお詫び申し上げます」と述べ謝罪した。一方、STAP細胞については、会見前に配られた資料で「検証する価値のある合理性の高い仮説」だとしている。
笹井氏は「私が参加した時点で、実験やデータ解析はすでに終了しており、私の役割は、論文の書き直しだった。当初は協力・指導だけのつもりだったが、ハーバード大学のバカンティ教授の強い要請により、共著者として、論文に名前を載せることになった」と述べ、STAP細胞の研究には、論文を完成させる最終段階で参加したと話した。その上で「こうした問題は、決してあってはならないことで、論文の複数の問題を見抜けかかったことは、ざんきの念に堪えない」と述べた。
そして、STAP細胞の論文については「論文の信頼性が大きく損なわれた以上、STAP細胞については理研内外での再現・検証が必要だ」としたうえで、「撤回するのがもっとも適切だ」と述べた。
笹井氏は記者会見の中で、3つの根拠をもとに「STAP現象を前提にしないと、容易に説明できないデータがある」と話した。その3つは、顕微鏡で撮影したSTAP細胞の動画と、他の万能細胞より極端に小さいというSTAP細胞の特徴、それに他の万能細胞が混ざっていたとすればマウスの胎児はできないことだとし、そのうえでSTAP細胞の存在を見極めるためには「第三者による検証が必要だ」と述べた。
※笹井氏は、STAP細胞の論文執筆において小保方晴子氏を実質的に指導する立場にあった。理研の調査委が先月発表した報告書では、小保方氏に捏造などの不正行為があったと認定したが、笹井氏については「研究不正には関与していないが責任は重大」と結論づけていた。笹井氏はES細胞研究の第一人者。1986年に京都大学医学部を卒業後、神戸市立中央市民病院での内科研修医を経て、1993年に米カリフォルニア大学ロスアンジェルス校医学部の客員研究員に。そして1998年5月、京都大学再生医科学研究所の教授に就任し、13年4月から現職。


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