罪を犯した少年に言い渡す有期刑の上限引き上げなど厳罰化を柱とする少年法改正案は11日午前、参院本会議で賛成多数で可決、成立した。少年事件の被害者遺族らから「成人と比べ量刑が軽い」との声が高まり、法制審議会(法相の諮問機関)が昨年2月に改正要綱を答申していた。
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現行の少年法は、成人なら無期刑となるケースでも事件当時18歳未満であれば、10年以上15年以下の有期刑にできると規定。3年以上の有期刑に該当する場合でも、判決時20歳未満の少年に対しては5年以上10年以下を上限とする「不定期刑」を言い渡すと定めている。
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改正により、有期刑の上限は20年に、不定期刑の上限も「10年以上15年以下」にそれぞれ引き上げられ、従来より重い刑を科すことが可能となる。不定期刑の幅が広がりすぎないようにする規定も設けられた。
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検察官と国選付添人の弁護士が少年審判に立ち会える事件は、これまで殺人や強盗などに限られていたが、窃盗や傷害といった事件も新たに対象となる。
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少年法を巡っては、09年に大阪府富田林市で高校1年の男子生徒が当時17歳の少年にバットで殴られるなどして殺害された事件の裁判員裁判で、大阪地裁堺支部が不定期刑の上限である5年以上10年以下の懲役を言い渡したうえで「刑期は十分でなく、適正な法改正が望まれる」と異例の言及をした。
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◇少年法改正の骨子 ・事件当時18歳未満の少年に対する有期刑の上限を15年から20年にする。 ・判決時20歳未満の少年に対する不定期刑の上限を、短期は5年から10年に、長期は10年から15年にする。 ・検察官や国選付添人が少年審判に立ち会える対象事件を窃盗や傷害などにまで広げる。
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